■パネリスト プレゼンテーション |
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●伊藤光男
長浜の町で第3セクターとしてガラス屋を始めた黒壁は、おかげさまで今、年間の来館者が180
万人くらいです。一人もいないところに180 万人集めたということと、それを第3セクターでやったということで、何か町づくりのいい見本だというような話で、あちこちに呼ばれたり、お越しになったりしていただいております。黒壁の中身については次の機会にさせていただくとして、なぜそんなことを始めたかということをお話したいと思います。先程、祭りという話がありましたけれども、我々が30代くらいのとき、自分たちの住んでいる長浜の町はどうなるのだろうか、長浜とは何だろうと思ったときに、長浜には曳山祭りがあるのですが、それを守ってきた町の人、町衆というものがあることが長浜の町だろうと考えました。それを続けなければならない。
その祭りを続けているのは古い町、先程のオールドタウンで、それを約400年守ってきたわけですが、それがこの世の中の流れでだめになりつつあるわけです。だめになるというのは、金がなくなる、つまり商売がうまくいかなくなるということです。祭りを続ける、長浜を守っていくためには、古い町が活力を持ち続けなければいけません。続かないということはどこかで切れてしまう、なくなってしまうわけです。ですからそれを何とかしなくてはいけないというのが、我々の取っ掛かりでありました。そのために古い町の中で、たまたまご縁があって市役所と一緒にお金を出し合ってスタートして、何をしようかと思ったのがガラスだったということだけです。私は建築屋ですので直すのは得意なので、何とかその周辺のものを直しながら、だましだまししながらやってきて、おかげさまで180
万人くらいに集まっていただいたと思っております。
金沢は文化の町という話ですが、長浜に人を集めるためには、文化性がないと集まらないとは思っていました。人を集めるためには何を集めればいいか。例えば黒壁というのはガラスを売って商売をさせてもらうことで始めました。当初は、文化で金を儲けなければいけないということを他所からはぼろくそに言われました。我々は文化的なのか文化チックなのか、よくわからないのですが、黒壁はガラスを売って商売をしています。文化で金を儲けて再生産、いわゆる次の町に続くような町を残すか続けるか、やっていかなければいけないと思っています。ただ、人は集まってきたのですが、だんだんと売り上げは落ちてきて困っております。そんなこともまた次の機会にお話させていただきたいと思います。
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