■コーディネータープレゼンテーション |
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●米沢 寛
金沢経済同友会で都市問題の委員長をしております。この都市問題委員会の与えられたことは、金沢にふさわしい新交通 システムの導入を考えるというテーマです。私ども金沢に本拠地を置く経営者としましては、なぜ、こうやって町づくりの運動に携わるかといいますと、もちろんこの町の活性化というのは直接商売に結びつくのですが、私は実は電機関連の仕事をしています。金沢以外で仕事をする場合、今のところ金沢のイメージが企業のイメージの大変に大きなバックアップになっています。
私は電機関連でそ う感じるのですから、たぶんまず食品関連の方たちにとっては非常に大きいものがあるだろうと思っています。
そういう意味で、この金沢のいいイメージをずっとつなげたいと思っています。そのいいイメージを表現する場所というのは、やはり金沢の場合、犀川と浅野川の間に挟まれた、またJR線の内側というか、金沢の旧市街に、先程野村先生がおっしゃったような金沢の顔をどうやって表現していくかということだろうと思っています。
そういう考え方に立って、今、新交通システムの議論を重ねています。まず一番大事なコンセプトは、単に渋滞を解消するということではなくて、いかにしてその新交通
システムを導入することによって、新しい魅力を金沢の町に復活するかという点を非常に大事にしています。単に渋滞を解消するならば、ITSの技術もどんどん発達しておりますし、7〜8年後には環状線もできますので、通
過交通量は大分減っていくと思います。
そういうものをいろいろ組み合わせれば、単に渋滞を解消するにはその辺の研究をした方がいいと思っていますが、もう一方進んでその町に新しい魅力を復活するということと、今までの公共交通
機関はあくまでも供給サイドに立った議論ばかりでしたが、何とか需要サイドに立ったものにできないかということを1点私どもは考えております。そうやって2〜3年討論を重ねまして、県・市、いわゆる行政では、ガイドウェイバスとLRTという2本立てで研究をしておりますが、私どもの場合、ある程度市内にはいる交通
、車の規制をして、何とかLRTを導入できないかなと思っております。
そのためには、これまでコミュニティとライフスタイルというのはそれぞれ自分の思うように伸びてきたわけですが、LRTという方針がはっきりしましたときに、また車を規制するという、ここまでくると、いろいろな市民の皆さんにライフスタイルを少し変えていただかなければいけないという部分が出てまいりました。今、その辺をどうやって進めていくか。私個人とすれば、先程からのご発言にあったとおり、金沢に住んでいらっしゃる人は非常にこの町に愛着があるということで、なんとかその辺もご理解いただけるのではないかと思っております。
今の時点としては、一昨年から新しい高級交通システムを考える新しい組織ができました。その中には、県と市と県警、建設省、運輸省、そして私たちの同友会、商工会議所、商店街に入っていただきました。本年から交通
実験を始めるということになっています。まだ具体的な交通実験は決まっておりませんが、今、出ておりますのは城周りの幹線道路を一方通 行にするとか、その一方通行にした場合に走っている車輌はすべて左回りにしか回れないとか、またバスレーンを1日中24時間バスレーンにするとか、そういういろいろなアイデアが出ています。それも1〜2週間単位
で実験をしたいと思っています。
先程申しましたとおり、金沢の町の環状道路が7〜8年後には全線開通になります。新交通 システムを入れるとすればその時点がチャンスなので、今年度、来年度交通
実験を重ねまして、新交通システム導入の実現に向かいたいと、そういう時点でございます。 |
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